7月30日から始まる「西山洋一/洋市映画祭」は全部観に行こう! 絶対全部観よう!
見終わった後、もうあなたは普通の暮らしには戻れない。いや、すんなり戻れるかもしれない。
西山洋市を考えることは、普通とは何か?普通じゃないとは何か?を考えることなのだ!
さて、今年最初の西山語録は石住武史君(稲妻ルーシー脚本担当)と夏男、西山洋市さんで繰り広げてもらいましょう。
お二人さんよろしく〜。
〇人は復讐のために映画を撮っている。
解説
誰に対して、何のために、復讐するのかは人それぞれだ。うっかり最初の映画を撮ってしまった時から復讐は始まり、撮り続ける限り平和はない。平和はないのだ。
石住
最初の復讐は成し遂げられたのでしょうか。もし、復讐心が映画を撮る度に増えていくのであれば、それはまるで消費者金融の借金のように金利だけ支払ってなかなか元金を返せない状態に陥り、やがて雪だるま式に増え、身を滅ぼしてしまうのではないですか。
西山
復讐心は金銭とは違う。しかし雪には似ているかもしれない。
〇女王運転
解説
冠を外したら女王になるもの、なんだ?――なんてナゾナゾではなくて。ある時、そういう表示の看板を見たのである。女王運転を心がけろ、と。
石住
優雅に。そして下々のものどもを見下すように。
西山
グレース・ケリーはどんな運転をしていたんだろう。
〇フェイ・ウォンはいつも水溜りの中にいる。
解説
いまもそうなのか知らないが、そんな感じがしました、以前テレビでフェイ・ウォンのライブステージを見たとき。
石住
きっと河童に違いありません。彼女にとって乾燥は死を意味します.
西山
ピチピチ、チャプチャプ、ランランランという感じ。
〇無意識には運命が埋め込まれている。
解説
人の運命は決まっている。無意識が人を決められた運命へと導いている、と僕は睨んでいる。
石住
たとえ運命が決まっていたとしてもそれを知らなければ、決まっていないも同然です.知ったとしても信じなければ知らないも同然です.可能性として未来には複数の選択肢がありますが、過去はもう確定しています。その確定した過去を振り返る時にだけ、運命という言葉が機能するのではないでしょうか。
西山
そういう考え方は当たり前すぎてつまらない。それに、それでは自分のことしか問題にしていないじゃないか。また過去がすべて確定しているとも限らない。どのように確定するかによって未来は変わるかもしれない。
〇手袋の指はナゼ5本なのか?
解説
そりゃ人間の指が5本だからに決まっているが、いつもそういう順番でだけものごとを考えるのはつまらない。特に映画の場合は。
最近読んだ「シグルイ」というマンガには6本指の剣豪というのが出てきて、一本多い指を使った他人には出来ない刀の持ち方使い方によって恐ろしく強い剣法の使い手となったというのが、たいそう面白かった。
石住
六本目の指の存在によって中指という名称は成立しなくなる。
西山
7本指ならまた復活する。
〇なぞの小学生接近!
解説
うららかなある日の午後、近所の原っぱを通り抜ける途中、小学校の低学年に違いないランドセルの小さな女の子ふたりとすれ違った。と、片方の女の子がこう言っているのが聞こえてきた。
「あたし、こわす人じゃないから大工さんてきらい」。
まぼろしなんかじゃない。本当の話だ。
石住
そんなミリオンダラーベイビーには橋本真也を紹介してあげてください。
西山
しかし今は壊すときではなく、構築するときかもしれない。
〇熱さ過ぎれば喉元忘れる。
解説
忘れているのは「熱さ」などではなく、喉元自体の存在だ。
石住
水に焼け石.そんな温泉をテレビで見ました。
西山
しかし、それは、水の量と石の大きさのバランスによっては、結局もとの意味と同じ結果に終わるかもしれない。
〇Five bars of golden slices
解説
「きんぴらごぼう」を英訳してみました。
石住
ウエスタン ヌードル
「にしんそば」を英訳しました。
西山
それ、なんか甘くない?
全発言:西山洋市
聞き取り:石住武史